読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

O ループロープ・インファント/X

ループロープ・インファント/× 「――ふ」 三条結は声を出す前に、体温ばかりに上昇した熱を机の上に漏らす。そしてためらいもひっかかりもなく優雅に立ち上がり「キリツ」と「レイ」を無難にこなす。いつも通りの甘い声をそれなりの枠の中に入れて出荷する。…

L ステンドグラス・ストラテジー/7

ステンドグラス・ストラテジー/7 八頭佳恋にはもう、三条結の言うことを聞く以外の選択肢はなかった。 佳恋がこの沼の中に沈まない選択肢はいくらでもあった、選択肢のどれかはもしかしたらこれよりも救われない悲劇が待っていたかもしれないけれど。 最後…

K ループロープ・インファント/2

ループロープ・インファント/2 三条結は、自室のPCの前で、三角形の口をしている。 『――るぅちゃんは、どんな格好しているの?』 『えー、るぅは、まだせいふくです』 『そーなんだ、今どんな感じ?』 『どんなかんじって?』 『どんなってさーぁ、わか…

J ステンドグラス・ストラテジー/6

ステンドグラス・ストラテジー/6 三条結はいつも縄をして学校に来た。佳恋は登校してくる結を自分の教室から眺めるのが日課になっていた。メガネを掛けて見ていた。いつも彼女の身体に掛けられた縄が見えた。 佳恋はそれを眺めながら、想像する。あの縄は…

I ループロープ・インファント/0

ループロープ・インファント/0 三条結はクラスの誰よりも進んだ女だった。 むろん「勉強が」ではない。そういうものには倦んでいた、お勉強は好きではなかったけれど、そこにあるものを理解するだけでいいなら簡単な事だった。誰よりも進んでいることは、…

H ステンドグラス・ストラテジー/5

ステンドグラス・ストラテジー/5 その場所とは被服室の隅ということだった。通気戸をくぐり中に入ると、三条があられもない格好で立っていた。 「――せんぱい、ごめんなさい」 「な……に? どうしたの、三条……さん」 カーテンは閉められていたけれど、扉は開…

G ループロープ・インファント/1

ループロープ・インファント/1 『るぅちゃん、今夜は暇なの?』 『いっそがしーです』 『そうなんだ、でもこんなところ来ちゃうんだね』 『たまってるんですよー』 『へえ、じゃあさくっとやっちゃう?』 『そんなことより、かわいい先輩がいるんですよ~…

E ステンドグラス・ストラテジー/3

ステンドグラス・ストラテジー/3 「――え?」 赤い縄だった。 その縄は全身を取り巻くように巻かれていた。 佳恋の理解の範疇外だった。それがなんなのか実際よくわからなかった。佳恋の歪んだ視界は、その言葉通り歪んでいるから――はっきりとそれかどうか…